📚週末だし、孫子(そんし)とか読んでみる
⚽️🏀サッカーでもバスケでも戦略・戦略本は沢山出ているけど
僕は新しい本より中国の兵書(戦争に勝つための本)をよく読む
とにかくどれも古い本だ
どのくらい古いかというと
例えば孫子(そんし)は
・古墳から竹簡、木簡に書かれた孫子が発見される
・(卑弥呼でお馴染みの)魏志(魏志倭人伝)の中で『歴史書』として登場する
※一体どれだけ古いのか(笑)
逆に言えば、そんな古い話が今でも使える事に驚愕してしまう
🏀⚽️今回はそんな古典兵書のうち、サッカーやバスケットの指導で使えそうな部分をピックアップしてみた
①孫子
兵者國之大事。死生之地、存亡之道、不可不察也。
戦争とは多くの命や財産が失われる一大事。実施前にはよくよく考えなくてはいけない。
故經之以五事、校之以計、而索其情。
一曰道、二曰天、三曰地、四曰將、五曰法。
①一番大切な事は、戦う目的をしっかり定める事
②そして適切な戦う時期を見定める事
③戦う場所をよく考える事
④優秀な人材を育成する事
⑤きちんとした規則を作り、周知する事
以上の5つが全て揃わなければ、戦争を仕掛けてはいけない
將者智信仁勇嚴也。
優秀な人材(選手・指導者)とは
智:知識があり
信:信頼され
仁:愛情があり
勇:勇敢で
厳:厳しさを持つ
これら全てを備える人物の事を指す
🚀
※孫子と聞くとよく「風林火山」を挙げる人がいるけどさ、あれは将軍・指揮官ではなく「優秀な兵士」の条件
風:スピードがある
林:静か
火:パワーがある
山:壊れにくい・安定性がある
日本では武田信玄が“兵隊向け”のスローガンに使った事で有名になった
故善戰者、求之於勢、不責於人。
優秀な指揮官は人数に頼らない
故其戰勝不復、而應形於無窮。
同じ戦法は二度と通用しない、戦いの度に工夫する事が重要だ。
②呉子
然戦勝易、守勝難
一回勝って大騒ぎするのは簡単だ、強さを維持して勝ち続けるのは事は大変だ。
※偶然出てきたスター選手に依存する競技団体とかが、よくこれにハマる
凡兵戦之場、止屍之地。必死則生、幸生則死。
『勝つと思うな、思えば負けだ』
用兵之害、猶予最大、三軍之災、生於狐疑。
一度戦闘が始まれば決断こそ重要、考えすぎは良くない
有功を挙げて進んでこれを饗し、功なきをばこれを励ませ。
勝ち試合では功労者を褒める事と同じくらい、活躍しなかった選手を励ます事は大切だ
呉起は戦地に赴く時、兵士らと寝食を共にして、自分を特別扱いしなかった。
あるとき一人の兵士ができもので苦しんでいた
呉起はみずから傷口に口にあてて膿を吸い出してやった
その話を聞いた兵士の母は泣いた
周りの者が泣いた理由を尋ねると、母はこう言った
「先年、呉起様はあの子の父親の膿を吸い出して下さいました」
「感激した父親はその恩に報いようと命を張って戦い、討ち死にしました」
「これであの子の運命も決まったようなもの。それで泣いているのです」
③三略
柔能制剛、弱能制強。柔者徳也、剛者賊也。弱者人之所助、強者怨之所攻。柔有所設、剛有所施、弱有所用、強有所加。
柔よく剛を制し、弱よく強を制す。
弱ければ、弱いなりの戦い方があるのだ。
ところで
兵書の引用なんてネットにはいくらでも転がってはいるが、どれも違う解釈をしていると思う
…まぁ、そんなもんさ
兵書を読む上で大切なのは、まず皆さん自身できちんと読んで、皆さん自身の解釈で理解する事だ
「他人の思考で解ったような気分になる事」を、戦場は許してはくれない